SSブログ

絞首刑 [世界]

 サダム・フセインのいとこである元イラク国防相の死刑が執行されたという。この記事を見て思い出したのは、2006年暮れの私の家で起きたある出来事だ。その年の12月30日に、サダム・フセイン元大統領の絞首刑が執行されたというニュースが流れた。確か、判決から数日後には刑が執行されるという異例の措置だったと記憶している。
 元大統領の死刑執行のニュースが伝わる数時間前に、私の部屋の置物に異変が起きた。昔フィリピンで買った木製の鴨のデコイが、落ちるはずもない棚から突然床に落ちたのだ。しかも落下の衝撃で首が折れ、頭が取れてしまった。嫌なことがあるものだと思っていた後に届いた死刑執行のニュース。不気味な符号の一致を不思議に思い、時刻を逆算してみると、デコイは元大統領の刑の執行時刻の1時間ほど前に落ちたことになる。一人の人間の最後の叫びが、遠くアジアにある島国にまで届いたのだろうか。恐怖、あるいは恨みか、悔しさか、いずれにせよその強さは相当なものだ。そのときはそう思いつい合掌した。
 イラクではいまだ、自爆テロによる死の連鎖が続いている。それは果たして、遠い国で起きている、自分とは無縁の世界の出来事なのだろうか。そこで殺された人間の叫びもまた、あのときのように世界中にこだましているに違いない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

増派3万人 [世界]

 米国がアフガニスタンへの3万人増派を決定したという。9.11に始まった見えざる敵からの攻撃によって、武力で他国の反発を抑えることはできないという事実が明らかになった。それにも関わらず、米国は他国への派兵を止めようとはしない。テロリストからの再攻撃をそれほど恐れているということか。しかし、派兵による武力制圧でなにが解決するというのだろう。
 アフガンでは現在、ひとまずタリバンの動きを押しとどめたように見えるが、それも流動的だ。公表したような、2011年7月の撤退は本当に可能か。それまでには、なにがしかの結果が出ているとの目算だろう。しかし、地の利を生かしたタリバンの執拗な攻撃が増派だけで収まるとは思えない。タリバンからすれば、オバマ氏はブッシュほどの野蛮でメチャクチャな物量攻撃は仕掛けない人物のように見えるだろう。一方の現場の米軍兵士にとって、派兵3万人は心強い援軍である一方、それでも片がつかない場合はベトナムのような泥沼化になることが最悪のシナリオに思えるはずだ(イラクでもそうだったが、現代において、敵と市民の区別がつかない地域に派遣された兵士は極度に疲弊する)。オバマ氏の政策には結局なんのメッセージもなく理詰めであり、見えざる敵を増やし、心身が傷ついた多くの米兵を生み出すにすぎないのではないか。
 朝日新聞は、増派に際しての米国市民の声はなにも伝えていない。ただし、米国ではなにがしかのデモや反対運動は起きているだろう。ノーベル平和賞を受賞した大統領が、他国への増派を決定したのだ。反発がないほうがおかしい。私は、オバマ氏の今回の政策に対するニューヨーク市民の意見を聞いてみたい。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。