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絞首刑 [世界]

 サダム・フセインのいとこである元イラク国防相の死刑が執行されたという。この記事を見て思い出したのは、2006年暮れの私の家で起きたある出来事だ。その年の12月30日に、サダム・フセイン元大統領の絞首刑が執行されたというニュースが流れた。確か、判決から数日後には刑が執行されるという異例の措置だったと記憶している。
 元大統領の死刑執行のニュースが伝わる数時間前に、私の部屋の置物に異変が起きた。昔フィリピンで買った木製の鴨のデコイが、落ちるはずもない棚から突然床に落ちたのだ。しかも落下の衝撃で首が折れ、頭が取れてしまった。嫌なことがあるものだと思っていた後に届いた死刑執行のニュース。不気味な符号の一致を不思議に思い、時刻を逆算してみると、デコイは元大統領の刑の執行時刻の1時間ほど前に落ちたことになる。一人の人間の最後の叫びが、遠くアジアにある島国にまで届いたのだろうか。恐怖、あるいは恨みか、悔しさか、いずれにせよその強さは相当なものだ。そのときはそう思いつい合掌した。
 イラクではいまだ、自爆テロによる死の連鎖が続いている。それは果たして、遠い国で起きている、自分とは無縁の世界の出来事なのだろうか。そこで殺された人間の叫びもまた、あのときのように世界中にこだましているに違いない。
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