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ウィンブルドン [テニス]

 昨夜、全英オープンの決勝戦をテレビで見た。フェデラーとロディックの対戦は、過去何度か見てきたが、今回の試合内容はいままでとは異なっていた。ロディックが、大きな成長を遂げていたのだ。これまでのロディックから受けるイメージといえば、高速サーブを起点とした強気の攻めで、ある程度まで相手を追いつめるが、いつも途中で集中力が途切れてプレーが崩れ、勝利に届かない。パワーにものをいわせた傲慢な選手という印象だ。しかし、今回のウィンブルドン決勝では、精神的な安定感とベースライン、ネットプレーの両方でのテクニックの充実が見られた。これにはフェデラーも苦戦。結局5セットまでもつれ、いずれが勝ってもおかしくない展開となる。

 フェデラーのテニスにおける精神力が世界一であることは、だれしもが認めるところだろう。しかしさすがの彼も最近は往年の鋭さが減り、プレーの精度が落ちている。以前のように、目の覚めるスーパーショットの連続は影を潜めた。しかし、それを補って余りある精神力と試合展開の冷静な読みが彼の凄さだ。相手が200km超のビッグサーバーであっても、必ず活路を見いだす姿勢には敬服する。

 テニスには、メンタルの面で野球とは違う面白さがある。そこには常に、弱さと強さ、ピンチとチャンスが織り交ぜられるように存在し、選手たちはこの2つの要素の間を揺れ動き、マインドを制御しながらプレーをする。いずれかがこのバランスを保てなくなったとき、試合はあっという間に終わるのだ。トップクラスのテニス選手は経験によって、そのいずれの状況をもコントロールする術を身につけている。そういった選手は、顔つきが違う。今年のロディックがそうだ。フェデラーはすでにその領域を超えているようにも見える。動きこそ俊敏だが、彼は寡黙な探求者だ。決勝は両者の集中力がボールに乗り移り、ライン際ぎりぎりの戦いとなった。11m×24mのコート上でのわずか1センチの戦い。ここから学ぶべきことは多い。
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