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福島市と郡山市の子供 [原発]

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 友人のK君がガイガーカウンターを購入した。昨夜彼に会い、それを借りた。連休中にいわきに行く予定があると話したところ、貸してくれたのだ。
 中国製のそれは、少し前の携帯ラジオ並みの大きさだ。重さはラジオより軽いだろう。検出した放射線の量を液晶パネルでデジタル表示する。単位はμSv/h(マイクロシーベルト毎時)。最高で2桁の数値(99.99)まで計測できる。購入価格は5万円ほどとのこと。実は私もガイガーカウンターを購入しようと思い、Webで調べたが、どれもけっこうな値段だったので断念した。
 早速自分の行動範囲で計測したみた。三鷹の上連雀で平均0.11μSv/h、中野駅のホームで0.15μSv/h、新宿の都庁の本庁舎前で0.15μSv/h、西新宿で平均0.08μSv/hだった。
 これらの数値が、福島第一原発からの影響をどの程度受けたものなのかは分からない。誤差もあるだろう。しかし、例えば新宿は、新聞に掲載された同地の数値(0.0724μSv/h)に近い。ガイガーカウンターの数値は信頼できる計測結果だと思っている。こうやって実際に計測すると、放射線というものの存在を意識するようになる。仮に、カウンターの表示が1μSv/hにでもなったら、相当緊張するだろう。0.5でもかなり気になる。
 朝日新聞は毎日、福島県を含む東北地方と関東の各地で計測された放射線量を掲載している。周知のとおり、第一原発の北西側は数値が高い傾向がある。浪江町や飯舘村は特に高く、それぞれ警戒区域と計画的避難区域に指定され、住民は避難した。原発から30kmほどの区域はもちろん危険だが、私が以前から気になっているのは、福島市と郡山市だ。両地域は、原発から50kmほど離れているにもかかわらず、放射線量が比較的高い。今朝掲載された数値は、福島市が1.68μSv/h、郡山市が1.63μSv/h。
 三鷹と比較すると現在、両市とも約15倍の線量だ。この数字が高いか低いかは議論の分かれるところかもしれない。しかし、私は高いと思っている。まして、以前はさらに高く(3月15日の時点で福島市が24.24μSv/h、3月24日の時点で福島市が5.19μSv/h、3月28日の時点で郡山市が3.08μSv/h)、両市とも少なくない量の放射性物質が降下したはずだ。内部被曝の危険を考えると、子供だけでも早々に避難させるべきだったと思う。
 文部科学省と原子力安全委員会、原子力災害対策本部は4月19日、「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」を発表し、それを福島県教育委員会等に通知したという(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1305174.htm)。これによると、「文部科学省による再調査により校庭・園庭で3.8μSv/時間未満の空間線量率が測定された学校等については、校舎・校庭等を平常どおり利用をして差し支えない」とのこと。また、「非常事態収束後の参考レベルの1-20mSv/年を学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安とし」と記載し、基準値をかなり緩めた。つまり、高い放射能環境の中で子供を活動させても問題ないとしている。この通知に従う学校があれば、そこに我が子を通わせている親は子供をすぐに転校させたほうがいい。3.8μSv/h、20mSv/年は、他国の基準値と照らし合わせても明らかに高い。
 前述の2都市の線量にしても、あくまで平均的な数値であり、局所的にはさらに高い場所もあるはずだ。また「校庭・園庭」であれば、空間線量ではなく、地表面の放射線量や放射性物質が重要になる。つまり、内部被曝が怖い。物質であるからには、雨や風によって特定の場所に溜まることも十分考えられる。地面に接する機会が多く、背の低い子供たちがそれを吸い込んでしまう危険を避けられないことは、だれにでも想像がつく。文部科学省と原子力安全委員会、原子力災害対策本部は子供のことなど、まったく心配していない。「暫定的考え方について」は、危機感も緊張感もない官僚たちが机の上でつくりあげた空論だろう。子供軽視もはなはだしい。
 私は福島市、郡山市あるいは両市の数値より高く、避難区域に指定されていない地域の子供たちはいまからでも県外に避難させたほうがいいと考える。それは容易なことではなく、部外者の勝手な意見かもしれない。しかし子供の将来を考え、健康被害を食い止めるためには仕方のないことではないだろうか。さらに踏み込んで言えば、事態は他県への移住を考えるところまで進んでいると私は思う。現在の生活水準を下げることになるが、将来がんになるよりはましだ。放射線量が多い地域に長期間住むことの怖さを文部科学省や行政側はまともに考えていない。
 やはり注意すべきは内部被曝。子供の甲状腺異常は4、5年後に発症することが多いという。これはまったく素人の考えだが、内部被曝は長期にわたって相当深刻な放射線障害(染色体異常)を招くはず。肺や骨などに入った放射性物質は取り出すことができず、一生体内に留まるのだろう。そうなってからでは遅い。まず守るべきは子供の将来だ。
 
染色体異常:
http://www.dailymotion.com/video/xhpugr_yyyyyyyyyyyy_tech

4月24日追記・ドイツ・シュピーゲル誌の記事(日本語訳)
「日本は子どもに対して高い放射線値を確定した」:
http://www.twitlonger.com/show/a1bk9a

4月25日追記・チェルノブイリ特集 最終回 少女の体に放射能は 衝撃的レポート('94.7)
http://www.youtube.com/watch?v=0rFYHpmta_0
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