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上関原発 [原発]

 山口県に計画されている上関(かみのせき)原発の建設工事が、近隣住民の反対を押し切るかたちで強行されたという。大手メディアはこのニュースを報じておらず、私は今朝Twitterで知った。
 原発を建設しようとしているのは中国電力。反対住民は主に対岸の祝島(いわいしま)の人々だ。遠い土地のことなので詳細は不明だが、Twitterのコメントによると、電力量が十分足りている状況にもかかわらず、中国電力が瀬戸内の自然を壊すかたちで沿岸に原発を建設する計画だという。発電した電力は、広島・関西方面に供給される予定。
 原子力発電所については、私もこのブログで福島第一、第二原発の運転反対を表明してきた。福島は私の出身地だ。なぜ反対なのかを簡単に言えば、原発が制御不能の技術だからだ。人間がコントロールできる代物ではないと思っている。まず、どこでも大地震の震源地になり得るこの国で原発という箱物は危険性が高すぎる。次に、技術的に運用に無理がある。閉鎖的な環境での作業ゆえ原子炉のトラブルの報告は後を絶たず、さらには設備の老朽化の処置すら不明だ。また、原子炉附近で作業をする作業員は放射線被爆する。そして、人的ミスは絶対起きないとはいえず、最高度に難しいオペレーションをいまの人間がこなせるとは思えない(参考: http://skazuyoshi.exblog.jp/13651699/ http://skazuyoshi.exblog.jp/14055798 )。
 なによりも、原発の稼働によって排出されるたくさんの放射性廃棄物自体が人間の手に負える物ではないのは明らかだ。地中深く埋めて、放射能が軽減するまで何十万年も放っておくという発想がすでにおかしい。ちなみに、福島県の双葉郡に残る固体放射性廃棄物は2008年の時点で約23万本だ。地中深く埋めれば安全といって、何万年の間、地殻変動がないと言い切れるのだろうか。同時に、何万年後の人間に申し送りができると思っているのか。要するに、原発を推進する人間は自然を侮り、想像力がない。
 原子力発電所でいったん大事故が起きれば、例えば、半径30km圏内にいる人々の多くは即死する。そして半径100km圏内に放射能被害が及び、数十万年にわたり立ち入り禁止だ。故郷には二度と帰れなくなる。
 さて反対しているが、このブログを書いているパソコンを動かしている電力のいくぶんかは、福島県双葉郡などの原発でつくられたものなのだろう。われわれは電気の発電元を選べない。これだから世の中はややこしい。原発の電力を拒否するならば、自宅に太陽光発電装置を備えてそれですべてを賄うか、使用量を上回る電力を東京電力に売るしかないだろう。残念ながら、わが家はアパート。自主的にソーラーパネルを取り付けることはできず。仮に持ち家だったとしても、それだけの出力のパネルを備える金はない。
 上関原発の建設現場では、およそ400人の中国電力社員、作業員、警備員と、数十人の反対派住民が対立しているとのこと。中国電力は数で強行突破しようとしている。このほか、交付金目当ての団体や賛成派住民も多いらしい。司法も中国電力に味方する。これでは、中東の独裁政治や中国の言論弾圧とさほど変わらないだろう。反対派住民は持ちこたえられるか。想像力のない相手は手強い。
 
 
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