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どうもおかしい [世界]

 現代は広報活動のうまい者や声の大きな者が得をする時代だ。政治や経済の世界、あるいは組織でも、うまく立ち回る人間が利権をこっそりとさらっていくことがしばしばある。煮ても焼いても食えない縦割りの構造を作っているのも大方その手合いだ。世界を見ると、米国などは政治家から軍隊までがメディアや広告代理店を利用して、あれこれと理由を流布し、自分たちの都合を通している。
 近年しきりに不況だ、景気が悪いと新聞や雑誌が書き立てているが、はたして本当にそうなのだろうか。確かに、現在の社員登用の狭さや失業率は問題だ。産業構造が変わったことや成果主義、商品が売れないことが原因だとは思う。しかしその半面、近郊に建て売り住宅やマンションがどんどん作られて、それらがあっという間に売れてしまうのはどういうことだろう。いまどき長期の住宅ローンを組めるのは、20代後半から30代の人々だ。その世代だけ羽振りがいいのか。あるいは、不況でもそのくらいの需要があってあたりまえなのだろうか。一方で、定年退職した人々が海外旅行に出かけたり、習い事をしたりして活発に生活を楽しんでいる。さらに、50インチ以上の大型の液晶テレビが常時売れ続けている事実。どうやら、とおりいっぺんの不況ではなさそうだ。
 話は横道にそれるが、英国から来た人が、日本は商品があふれていると言っていた。食べ物にしても、これほどの種類が揃っている国はないとのこと。その人は日本に来たらまず秋葉原に行くという。この国では、電化製品やAVなどもよりどりみどりだ。英国に住む日本人女性は、ヨーロッパは財政的にも、商品の数や種類でもけっこう厳しいと話していた。意外なことに保険の関係で、歯医者に通院できない人が結構いるらしい。英国では40代以上の、歯がたくさん抜けたままの人などをよく見かけるという。ヨーロッパの国々の状況は、われわれが思っている以上にシビアなようだ。
 また、ここ10年近く言われ続けている話に、国の借金がある。いまではその総額が900兆円を超え、さらに増えているとのことだ。負担を国民一人当たりに換算すると、数百万円になるなどと脅かされる。しかしよくよく考えると、借金ということは当然貸し手が存在するわけだ。その貸し手はいったいどこにいる? そのうえ国債を発行するのでも、その債権を持っている債権者とはだれなのか。私が見逃しているのかもしれないが、新聞もテレビも報じていない。借金だ借金だ、と騒いでいる。借金900兆円と全市民の資産総額、銀行や企業、宗教法人の内部留保総額など、それらの関係はどのようなものなのだろう。まして900兆円の借金は具体的にだれがどのようなかたちで負っており、増えているのか。いちどじっくり調べてもらいたいものだ。
 私は、物事の一面だけが強調されて、市民の目が本質から遠ざけられてしまうことを危惧する。そのせいで、本来は人並みの生活を送れるはずの人間が、いわれのない損を被っていることだってあり得る。必要以上に企業を萎縮させ、それが雇用の悪化につながっているとしたら不幸だ。世間に広く喧伝されている話を真に受けぬようにじゅうぶん気をつけたい。
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