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アップル・ブランド [ハードウェア]

 初代iPod nanoの一部の機種で、バッテリーの発熱・発火が問題になっている。アップル社製品でのバッテリーの不具合はこれが初めてではない。以前もiBook G4で同様の事故があった。その当時、我が家でもiBook G4を使っていたので心配になり、同社のWebサイトを閲覧したところ、トップページには不具合に関する注意喚起などの文章が書かれていなかった。デザイン最優先のトップページに「不具合のお知らせ」とは記載できない雰囲気だ。今回もまた、Webページでユーザーへの注意告知がなされておらず、経産省から是正するよう指導を受けている。
 アップルという会社は、自社のブランドイメージの保持に対して強いこだわりをもつ。ガレージでの少数生産から出発し、低迷の時代はあったもののパソコンメーカーとして成功、その後iPod人気でさらにデジタル機器や楽曲をも提供する先進企業として知名度と売り上げを高め、現在に至っている。2010年第2四半期の売り上げ高は、135億ドル(約1兆2,584億円)。
 同社が経営する銀座のアップルストアを初めて訪れる人は、そこがパソコンやデジタル機器の販売店とは思えないだろう。店員の服装こそシンプルだが、外装・内装ともなにか高級ブティックのようなたたずまいを醸し出している。この店を見て明らかなように、アップルという会社はもはや単なるメーカーではなく、DiorやPradaなどといった欧米の高級ファッションブランドと同じ指向性を持つ企業になった。
 確かにアップル製品は、ハードとソフトのデザインが優れ、OSを含めた操作性は悪くないと思う。この点が認められてか、最近はユーザー数が増え、ノートパソコン(iPad含む)の国内シェアが11%に達したともいわれている。一方でWindows陣営はここ数年停滞ぎみだ。
 それにしても、パソコンやデジタル機器関連における新製品の発売サイクルの短さは尋常ではない。どのメーカーにもいえることだが、長期テストなどする余裕もなく出荷しているパソコンやデジタル機器には不具合がつきものだ。服飾関係の商品とは中身が違う。この事実にフタをして、高級ブランドのイメージづくりに邁進するアップル社の姿勢には、疑問符がつく。こちらは、それでもほかにましなものがないからアップル製品を使い続けているのだ。私は、同社がいうユーザーエクスペリエンスがどうしたなどという話は、七掛けくらいで聞いている。アップル社の社長は、自社製品は完璧でなければならないと思っているようだが、そんなに簡単にいくものか。
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