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「原発がどんなものか知ってほしい」 [生活]

 先日、一人の技師が書いた原発に関する文章をWebで見つけた。タイトルは「原発がどんなものか知ってほしい」。平井憲夫さんという、原発の施工に長年かかわってきた現場の人間からの警告だ。原発という産業は地元と密接に結びついており、現場の人間の声が表に出ることはまずない。その点で重要な文章と言えるだろう。
 わずかな期間だったが、私が以前福島や茨城、新潟の原発で経験し、聞いた話と合致する内容が書かれている。この話が重要なのは、現場の人間の声である点だ。設計や管理の側から伝える原発ではなく、現場の人間にしか知り得ない現実が語られている。私も以前、建築現場で働いていた経験があり、建築物の施工時には現場監督や職人だけが知ることが多いのは事実。さまざまな要因による悪い面が、地震や経年劣化で露呈するのは周知のとおりだ。
 Web上には、平井氏の話を打ち消そうとする意見もいくつか存在する。それらはやはり原発推進に立つ管理側の見解が多い。「原発がどんなものか知ってほしい」は現場の人間による偏った視点の話であり、正確さがないと理詰めで批判し、無化しようとしている。しかし平井氏が指摘したのは、職人の技術力の低下や机上の設計と施工とのズレ、検査側の意識の問題、放射能作業の実態であり、いくら理論や数値で反論しようと、原発という構造物に横たわる大きな亀裂は隠しようがない。
 この文章を読んで私は本当にぞっとした。故郷の福島県では東京電力の10基の原発がいまも稼働している。しかも今後、さらに強力な毒性を持つMOX(ウランとプルトニウムの混合酸化物)という燃料を老朽原子炉で燃やすプルサーマルの計画が進む。現地では現在、プルサーマル稼働の反対運動、署名運動が起きている。これは沖縄の米軍基地問題と同様の大きな問題だ。危険性という点ではそれを上回る。平井氏はすでに亡くなっている。彼の思いと警告を埋もれさせてはいけないと思うのだ。
 http://members.at.infoseek.co.jp/genpatsu_shinsai/
 転載サイト http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html
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