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銀座・資生堂 [生活]

 銀座の資生堂本社ビル内にある「ハウス オブ シセイドウ」で撮影と取材。ここは、創業時から現在までの同社のあゆみと、商品や広告の記録や資料などを閲覧できる一種のアーカイブスペースだ。今回伺って特に感心したのは、「アーカイブテーブル」という、引き出しとインタラクティブな仕掛け、映像を組み合わせた閲覧用の什器(装置)。引き出し上面のガラスに取り付けられたボタンを押すことで、解説文や映像をプロジェクターの投影や液晶ディスプレイで見ることができる。センサーやタグ、ヘッドホンなども利用しており、かなり凝ったつくりだった。コンテンツは、定番商品にまつわるエピソード、資生堂パーラーの歴史、男性化粧品のCM、銀座の地図、雑誌「花椿」のライブラリー、香水の匂いなど。引き出し一つひとつがボックスアートのようだ。余談だがその中に、亡き祖母が愛用していた化粧品を発見。水色の液体が入ったそのガラス瓶とロゴマークの美しさが子どもの記憶に焼き付いていたらしい。同館ではこのほか、銀座の街や化粧に関する文化についての資料や書籍なども閲覧可能。団体見学も受け付けているという。
 資生堂は老舗らしく、化粧品を基盤とした独自の文化を育み、それを時代ごとに提供してきた顧客重視の会社だ。周知のとおり、デザイン戦略やCIもしっかりしている。とはいえ、銀座に出店している他国の高級ブランドが演出する権威的な上流指向とは一線を画す、市民的な目線が魅力だ。同社が大切にしてきたもの、それは美しさ、健やかさ、豊かさだという。資生堂ギャラリーをとおし、現代美術の作家もバックアップしている。こういう筋の通った企業が日本にはある。それを思うと、少々ほっとするのだ。
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