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通崎睦美 マリンバトリオ・コンサート [音楽]

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 三鷹市芸術文化センター・風のホールで、通崎睦美(つうざきむつみ)のマリンバトリオ・コンサートを聴く。メンバーは通崎のほかに、今田香織、後藤ゆり子。2台のマリンバを3人で弾く。私はマリンバのコンサートを聴くのは初めて。目当てはプログラムに含まれる坂本龍一の「グラスホッパーズ」だ。
 演奏はE・シャブリエの「スペイン」で始まった。最初の一音から引き込まれる。木琴特有の硬さと柔らかさ、強弱、豊かな音色。軽快なリズムとスペインの明るさ、豊穣さを感じた。トリオゆえの音の厚みが魅力だ。次にバルトークの「ルーマニアン・フォーク・ダンス」(6曲)。今日の演奏の中では私はこれがいちばんよかった。バルトーク独特の旋律(節回し)にマリンバの響きがとても合う。ダンスと木琴の相性のよさが心に染みた。グラスホッパーズは、イメージしていたとおりの演奏。この曲はトリオのアンサンブル用としてもいい。曲が持つ、ポリフォニーと曲調の斬新さを十分生かした演奏だった。今日のプログラム全体にいえることだが、マリンバトリオ向けの編曲がこなれている。
 このほか、ブルグミューラーの「25の練習曲」や、高橋悠治の「パレスチナの子どもたちの神さまへの手紙」(卓上の木琴で演奏)、林 光の「島こどもうた 2」やサティなどを演奏した。通崎の感覚とテクニックは確かなものだ。演奏の合間の話も聴衆の興味を満足させた。坂本龍一からポップス、クラシック、現代音楽までを安定した音色とリズムで紡ぐ。グラスホッパーズとルーマニアン・フォーク・ダンスはCDでもう一度聴いてみたい。通崎は、戦前戦後の時期、日米で活躍した平岡養一(1907-1981)というマリンバ奏者の後継者だという。マリンバの世界にとっても期待できるプレーヤーだろう。これからいい仕事をしていくに違いない。

第一部 1 スペイン E.シャブリエ 2 ルーマニアン・フォーク・ダンス B.バルトーク 3 モリタート K.ヴァイル 4 パストラーレ I.ストラヴィンスキー 5 グラスホッパーズ 坂本龍一 6 Lapping inYuming's 松任谷由実
第二部 1 竹林 安倍圭子 2 25の練習曲より J.F.ブルグミュラー 3 パレスチナの子どもたちの神さまへの手紙 高橋悠治 4 「島こどもうた 2」より 林 光 5 シネマ E.サティ アンコール 古い手紙 林 光 夕暮れ 林 光

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