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渋谷駅頭 [仕事]

 渋谷駅頭で写真撮影の仕事。カメラマンと交番前で待ち合わせをし、日没後のスクランブル交差点周辺に並ぶ大型ビジョンを撮る。特にQ-FRONTビル前面のガラスに表示される画面は巨大だ。大小4面ある大型ビジョンが放映するのは、商品CMや天気予報、占い、MV、売れている本のランキングなどさまざま。通常のディスプレイと異なり、音声も流す。ときどきシンクロして2または3面が同じ映像を表示した。それを立ち止まって見入る若者。
 大勢が何用で集まるのか、駅から出て街中へ向かう人と、街から駅に向かう人の波。もちろん夕方の渋谷だ。仕事や買い物ではない。ほとんどが飲み食いだろう。落ち合っては、次々に交差点の向こうへ消えてゆく。'80年代バブル期の東京各地の街ではこのような夕方の光景が日々続いていたことを思い出す。
 外国人が同じように交差点周辺をデジカメで撮影していた。聞くところによると最近、渋谷駅頭のスクランブル交差点は外国人観光客の撮影スポットになっているという。たくさんの電飾看板やネオンサインと大型ビジョン、行き交う群衆。これだけ見れば、さながらタイムズ・スクエアだ。
 しばらくその場にいて気がついたが、交差点の近くに1本の街路樹が立っている。何の木かは不明。人通りのだいぶ多いところで、撤去されずによく残っているものだ。4面の大型ビジョンのうち、1面がこの木の陰になってすべてを見渡すことができない。そのアンバランスさが日本らしい。とにかく雑多な場所だ。待ち合わせの定番ハチ公の付近には、さまざまな世代の男女がだれかを待っている。外国人も多い。その近くにはなにやら怪しげな喫煙所。煙を吐き出す男たち。
 渋谷といえば、スクランブル交差点が代名詞になった。この街に来たたいていの人は、この交差点の洗礼を受ける。有無を言わせず雑多な対面通行に呑み込まれるのだ。それにしても、あれだけたくさんの人間が流れているのに、ずいぶんと冷めた空気が漂っている。それは冬の気温のせいだけではないだろう。「これでどう?」とカメラマンがデジカメの液晶画面を見せる。くっきりとした大型画面と揺れ動く人々の影。OKを出して撤収した。
タグ:駅頭 渋谷
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