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トヨタとパソコン [ハードウェア]

 トヨタが批判にさらされている。アクセルペダルやブレーキシステムの不具合における同社の対応がまずかったのは確かだろう。会社の内部が複雑化して基本理念を見失い、政治の世界と同じように外が見えず、内部調整に労を費やす体質に変わってしまったのかもしれない。運行時刻が世界一正確だといわれたJRでさえ、いまではひんぱんに信号機故障だの、送電線トラブルだのを起こして乗客に迷惑をかけている。「リコール」を届けなくてはならないのは、トヨタだけではないはずだ。
 ハイブリッド車「プリウス」に限っていえば、ブレーキシステムの制御プログラムに問題があったという。リコールを届け出て、今回はそのプログラムを修正する対処らしい。原因はいうなればコンピューター制御のミスだ。いまの時代、さまざまな製品に大小のコンピューター制御装置が組み込まれている。周知のとおり、コンピューターというのは便利な半面、やっかいな代物でもある。
 パソコンを使っていると、1カ月にいっぺんほど、OSのアップデートを促される。インターネット経由でアップデーターというプログラムが送られてきて、パソコンのOSという基本プログラムに修正を加えるのだ。アップデートの内容はさまざまだろう。新しい機能の追加や新規格への対応、セキュリティー対策など。そしてその中には、不具合の修正も含まれている。
 クルマの場合は、プログラムといえども人命に直結することなので早急な対応が望まれ、世間の目も厳しい。0.06秒の制動遅れも許されない。しかし、かたやプログラムのかたまりともいえるパソコンにおいては、その不具合に関する問題が取り上げられることはまずない。一般ユーザーにとって、パソコンの内部はハード、ソフトともにブラックボックスだ。所有するパソコンの不調が自分の操作のせいなのか、パソコン側本来の問題なのかがまるで分からない。Windowsマシンは通常、使い込むほどに原因不明の待ち時間が発生する。
 わが家のノートパソコン「MacBook」は使用中にときおり勝手に再起動し、オーナーの妻は閉口している。この問題をアップル社のサポートセンターに問い合わせ、教えられたいくつかの対処法を試みたが効果はなかった。私は電源管理ユニット(制御プログラムを含む装置)に原因があるとにらんでいる。パソコンを長年使っていると、ときとしてこういった不具合に遭遇し途方に暮れることがある。バッテリーからの発火などとは異なり、プログラム上の問題に関してアップル社やマイクロソフト社は、ほとんどの場合ユーザーに告知しない。「アップデート」で密かに改修している可能性がある。新製品のアップデートの頻度が高いのはそのせいではないだろうか。困るのは、アップデートを実行してもなんら解決しない不具合だ。
 現在パソコンは、非常に多くの人が使う道具になった。その割に、問題の発生率はかなり高い。つねづね、この不具合に関して世間はもっと厳しくてとらえてもいいのではないかと思っている。その点で今回やり玉にあげられたプリウスにおけるプログラム問題は、少々気の毒な気もするのだ。
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