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主体展 [ART]

 友人が出品した作品を見るため、仕事の合間に都美術館へ主体展を見に行く。主体展に足を運んだのはこれで2度目。友人は大胆な原色を使い、色彩と構成、テーマが明確でとらえやすい。社会的なテーマなどは含まず。

 一方、ほかの作家の絵は、暗い色彩や調子のものが多い。場合によってはずいぶん濁っている。油絵の技法に関していえば、本来はもっといい色が出せる。それをあえて使わず彩度や調子を落としているのは、現在の油彩画の風潮なのだろうか。社会的あるいは家族、人間関係をテーマにした作品は色調もさることながら、内容がどんよりと重い。それらは自然から遠く、色彩からも離れた場所にある。感覚に心地よく響かず、無機質なモチーフ。都市に住む人間が描いた絵だ。その半面、夜の団地を正面から描いた作品は重苦しさがなく、印象に残った。

 そういった中でも、自然や木を描いた作品が数点あり、立ち止まってディテールに目をこらす。団体展は最低でも100号の大きさの作品が出品される。自然を描くにあたって、その多くがどうも描き込みすぎ、うますぎのきらいがある。一生懸命緻密に描き込んでいる、という印象を与える絵は秀作ではない。手わざの多さや細かさ、制作時間と、絵画のよさは関係がない。

 色調は似通っているのだが(原色を使う作品がほとんどない)、まったく異なる方向性や独自の空間表現を試みる作品が混在し、作品同士が影響しあっている点で、団体展を見るのは疲れる。画廊での個展であれば、また違って見えるのかもしれないが。100号〜200号程度の大作が延々と並ぶさまは、どうにも圧迫感がある。1階から3階まで、たくさんの作品を少々早足で見て歩いた。展示に閑話休題がほしい。団体展は展示形態を考えるべきだ。
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