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HD DVD [ハードウェア]

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 東芝が2007年末に発売したHD DVDレコーダー「RD-A301」をいまも使っている。AVに詳しい人ならば、私のこの物好きさ加減を笑うかもしれない。なぜかといえば、この製品は発売後3カ月ほどで店頭から消えてしまったからだ。いわゆる「規格競争」でBlu-ray陣営に敗れ、“ハイビジョンをDVDディスクに録画”市場から撤退したのだ。
 RD-A301はもちろん、Blu-ray同様ハイビジョン番組をディスクに保存できる。それはそれで現在のところいいのだが、将来性はない。なにしろ、撤退である。後続製品がない一代限りの状況だ。壊れてもメーカー修理があるうちはいいが、修理受付が終了したら、それで終わりということになる。せっせとHD DVDディスクのライブラリーを作っても、しょうがないのだ。
 2007年当時はあれほど早く「規格競争」の決着がつくとは思わなかった。それに、以前からRD-XD91などの東芝製DVDレコーダーを使っていた手前、録画してあったハイビジョン番組をRD-A301に移動してHD DVDで保存するという計画もあった。余談だが、HD DVDメディアは東芝のWebサイトでいまも細々と販売されている。1枚のメディアにハイビジョン番組が80分ほどしか入らない点では、確かにBlu-rayに負けていた。
 もっとも私は昔から、敗者側の製品を買う運のなさを身につけている。ビデオついでに言えば、高校生のころからベータマックス(ソニーの「SL」シリーズ)を使っていた。デッキはいまも1台ある。すでに忘れ去られた規格「DAT」のデッキも使っていたし、数年前はソニーのHi-MDのレコーダーも購入した。こうして振り返ると、ソニー製品が多い。HD DVDがソニー陣営のBlu-rayに敗れたのは、なんとも複雑な気分だ。ちなみに我が家のRD-A301は、SL-HF91Dの下に置いてある。
 規格や方式というものは、とにかくユーザーを振り回すものらしい。例えば、VHSで買った名作映画を、「永久保存版」などといわれてレーザーディスクで買い直し、ほっとしたのもつかの間、今度はリマスター版がDVDで再販された、などという具合だ。さらにBlu-rayの高解像度版が出た日には、いい加減にしろといいたくなるだろう。この場合、コンテンツ所有者とメーカーはグルだ。とりあえず、「売れればいい」のだ。
 では、Blu-ray版を買えば安心かといえばそうでもない。この先、インターネットの通信速度はさらに上がり、名画や昔の番組やライブやらが、有料ストリーミング放送でいつでも(オンデマンド)見られる時代が来るだろう。「NHKオンデマンド」はそのはしりだ。電話局の施設内にたくさんのサーバーを設置しているNTTなどもそのへんを昔から狙っている。
 利用者は、とにかく便利に高画質のコンテンツを見られればいいわけだが、この先も「規格」という用語にはくれぐれも用心してほしい。類語に「フォーマット」というものがあるが、これも開発者が編み出す口上の一つだ。
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