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原子力発電所

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 今日、福島県沖で地震があった。同県の太平洋岸、通称「浜通り」地方の中部と北部では現在10基の原子炉が稼働している。私が記憶する限り、福島県沖ではときおりM4前後の地震が発生し、国内のほかの地域同様、大地震が起きる可能性はある。小、中規模の地震は起きるが、大地震は起きないという保証はないだろう。先年の新潟県中越沖地震があった際、私は真っ先に柏崎刈羽原子力発電所の被害状況を心配した。
 どんなに耐震策をとっても、自然の力は人間の想像をはるかに超える。福島県沖で巨大な地震が起きたとき、原子力発電施設の被害を最小限に食い止められる保証はない。そもそも、狭い地域に10基もの原子炉があること自体がおかしい。福島県民は、相当な危険を受け入れている。その代償として得ているものはなにか? いくばくかの交付金だろうか。それが仮に巨額であっても、放射能もれの危険と引き替えにはできないはずだ。天災や事故が起きたとき、放射能は太平洋からの風に乗って内陸深くまで広がり、広い地域が二度と住めない場所に変わる。
 私はいまから15年ほど前、仕事で茨城県の東海村(東海発電所や原研)、新潟県の柏崎刈羽、そして福島第1、第2原子力発電所などを訪れた。そこで一番印象に残ったのは、ある地元の人が言った「原子力発電所では、年に1、2度は救急車を呼ぶような事故が起きている」という話だった。それから数年後、東海村JCOで起きた臨界事故は周知のとおり。地震がなくとも、世間から完全に隔離された施設内で人為的な事故は起きる。近年の鉄道や家電、食品会社などの過失と報告の不備で明らかなように、日本人の技術力と倫理観、想像力は落ちている。それでも原子力は安全だというのは過信だ。私は、東海村JCOの事故以外にも、世間に知られていない原子力発電所の事故はたくさんあると見ている。
 福島第1、第2原子力発電所は、いずれも東京電力の施設だ。ここで生みだされた電力はすべて200km以上離れた東京に送られる。われわれが使っている電気の3割は、原子力発電によるものだという。だからといって、原子力を容認するわけにはいかない。いずれも遠い地方で稼働しているため、創造力が及ばないのかもしれないが、原子力(核エネルギー)は人間の手に余る最も危険な技術だ。核融合は太陽にまかせ、人類はソーラーパネルの開発に尽力したほうがいい。
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