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木村伊兵衛 [街]

 昨日は所用を済ませてラウル・デュフィ展に行った後、夕方、ギャラリー由芽で三鷹市在住の作家によるグループ展を見た。三鷹にはいま、在住美術家の組織ができていると画廊の人が言っていた。それから上々堂に寄って、画集と木村伊兵衛の写真集を買い、その先にあるそば屋「まつや」でたぬきそばを食べる。あげ玉のほかに、大根や山菜、こんにゃくも入っていて、細麺でうまかった。
 帰宅して木村伊兵衛の写真集を見る。「昭和の女たち」というタイトルで四六判。絶版らしい。木村伊兵衛の写真は、つい気軽に流して見てしまうが、いずれのカットも確実に印象に残る。スナップの達人と言われるその力量と眼はやはり確かなものだ。土門拳のような真に迫る描写ではない。しかしその時代に生きた女性の潔い存在感を見事にとらえている。それにソフトフォーカスがよく合う。この本で、「おばこ、大曲市」に別カットがあったことを初めて知った。
 私は、ときどきRollei35を使うが、木村伊兵衛の写真を見ていると、そろそろライカにしようかなどと思ってしまう。しかしそれは無駄な想像だ。なにしろ本当の写真家は、自分で現像・プリントを行う。そこまでして初めて写真なのだ。カメラだけ使ってフィルムを街のDPEに出しても、思うような写真など出来るはずもない。そうなると、次の選択肢はデジカメになる。これならパソコンを使い自分でレタッチをして、プリンターで印刷できる。しかしデジカメは、いまひとつ腰を据えて使う気になれない。一眼レフデジカメではきれいに写りすぎてどうも気が乗らず、コンパクトタイプはマニュアル操作がしにくい。もっとも、いまいちばん足りないのは、対象への興味だろう。撮りたい対象のところへ行く気持ち。これが年々しぼんでいる。
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