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三鷹天命反転住宅 [建築]

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 三鷹の大沢には、「三鷹天命反転住宅」というかなり風変わりな集合住宅がある。場所は、東八道路を府中方向に進み、天文台通りを30mほど過ぎたところ。赤や青、黄色などの原色で彩色した円筒形や球形、立方体で構成されたこの建築は東八道路に面し、とにかく目立つ。竣工したのは4年ほど前だったろうか。私は以前、建築中のこの建物に散歩の途中で出会い、大いに驚いた。設計は、芸術家(?)の荒川修作氏と彼のパートナーのマドリン・ギンズさん(実施設計は国内の設計事務所)。
 荒川修作氏は、謎の芸術家・マルセル・デュシャンに通じる作家であり、三鷹天命反転住宅はれっきとした彼の「作品」だ。荒川氏は以前、NHKの「課外授業ようこそ先輩」出演で、自分の通った小学校を間違えていたという人なので(それが放映後に発覚)、いうなれば破天荒。作品は、記号や図形、文字などを使ったコンセプチュアルなもの。その人が作った建物だ。普通なはずはない。天命反転住宅は「死なないための住宅」という意味だとか。建築中に室内をのぞいたが、床が球体の一部だったりして(つまり平らではない)、住むのはたいへんそうに思えた。外観に違わず、内部の作りや間取りも通常の建築とはだいぶ異なるのだ。建築が本来備えるべき安定性を放棄している。逆説的にいえば、安定性こそが死の行程に従うものなのだろう。すでに数戸に住人がいるが、現在でも空きがある様子。買う金はないが、怖いもの見たさで体験したい気もする。いや、やめておこう。天命に逆らう気はない。
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Sanchai

私の故郷・岐阜に「天命反転地」というアミューズメントパークがありましたが、この大沢の住宅の設計者が同じ方だというのを後から知り、岐阜と妻の実家・三鷹の意外な共通点に驚いたというのを覚えています。無理に不便なところを作って高齢者の肉体機能の衰えを抑えようという意図があると聞いたことがありますが、正直ちょっと住みたくないなと思いながらいつも眺めておりました。
by Sanchai (2009-05-10 01:03) 

yotaka

天命反転地のことは以前テレビで知りました。アップダウンがあり、体験するのはたいへんそうな場所ですね。作品は眺める程度がいいのかもしれません。
by yotaka (2009-05-10 10:41) 

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