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水車経営農家 [街]

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 大沢にある古民家「水車経営農家」を見学した。武蔵野地域には、江戸から明治、大正時代にかけて、数多くの水車があったという。ここには、野川の川岸に残された実際の農家の敷地に、水車をはじめ、母屋や土蔵などの建物、農具などが保存・展示されている。直径4.6mの水車(現在は動いていない)とそれに付随する木製の歯車や駆動装置がたいへん興味深い。臼やふるいを動かす駆動機構の仕組みはかなり高度で、思わず見入ってしまう。日本人は、水車においても優れた技術を持っていた。
 土蔵や物置にはその昔使われていた農具や民具が当時の状態のまま保存されており、古い日本の農家の仕事と生活を彷彿させる。数十年前の農家で経験した朝夕の炊事の匂いも思い起こされた。資料の調査や整理、解説パネルの展示などは、武蔵野美術大学の神野研究室が協力しているという。各種の道具を見るにつけ、昔の日本人が、建築に限らず、木を非常にうまく利用していたことがわかる。私はそれらが並ぶ物置や土蔵の空間から、単なる郷愁以上のものを強く感じた。われわれの血には、木に通じる独自の遺伝子が組み込まれているらしい。水車経営農家は三鷹市の文化財に指定されている。ボランティアによる解説も聞くことができ、入館は無料。今年10月からは、野川の水を引き、新設の水車を回すための工事も始まるとのこと。古い水車の姿を見ておくならいまのうちかもしれない。

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