古書上々堂 [街]
また昔話になるが、三鷹駅南口の中央通りを南下し、スーパー丸正がある交差点を右に入ったところに、「げんせん館」という古書店があった。典型的な古本屋のたたずまいの店で、店頭にはマイルス・デイビスのポスターが貼られ、70年代のマンガやアダルト、雑誌バックナンバー、実用書、思想書が充実していた。さらにこの店の斜め向かいにも古書店があり、こちらは少々堅い本や希少な文庫本が多かった記憶がある。いずれの店も数年前に閉店(したか、あるいは他所に移転)してしまった。
そんな中で現在、同じく中央通りに面する「古書上々堂(しゃんしゃんどう)」はがんばっている。この書店は、店構えや雰囲気づくりがうまく、棚を含めた全体の質感や色合いも好印象。画集、写真集、文芸、絵本、趣味、思想系が、背の高い棚に見やすく並んでいて、つい長居してしまう。児童書が充実しているほか、ときおり芹沢けい介のカレンダーや関連本なども並んでいる点が要チェックだ。今日は、作品社・日本の名随筆「石」を購入。自転車操業的な状況が続く出版・書店業界を見るにつけ、こういう落ち着いた佇まいの店こそ大事にしたいと思う。
追記:
その後、同店は商いを店頭よりもAmazonでの販売にシフトした。そのため、店頭の書籍の半数近くがビニールで包まれ、内容や価格を確認できなくなった。また分類も雑多になり、ジャンルなどで書籍を探すのは厳しい。店内の雰囲気も変わってしまった。やむを得ないことだろう。近年は北口の古書店「水中書店」を利用することが多い。
2009-04-19 01:42
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