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三鷹 [街]

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 三鷹駅前は、日本のほかの街同様この20年ほどで大きく変わった。駅舎はもちろん、南口駅前の第九書房、第九茶房、映画館、楽器店、レコード店、カメラ店など、文化的な店がことごとく姿を消し、その代わりパネルとガラス、タイル張りの無機質な建物がロータリーと駅前通りを囲む。
 さらに最近では、駅前通りに平行する禅林寺通りの変貌が激しい。この数ヶ月の間にいくつかの邸宅やアパートが取り壊され、大きなマンションが5棟も現れた。静かだったこの裏通りを連日、ミキサー車や大型トラックが走り、警備員がホースで道に水を撒く。日本人は、街を捨て、通りを捨て、文化を捨て、それでも平気な顔をして日々を過ごしている。私は、これからこの街を、この状況を生きる若い人たちを気の毒に思う。それでも、次世代なりに新しいことを始めればいいんじゃないか、という人がいるかもしれない。しかし、紙も貼れず、虫もとまらない壁で囲まれ、座る場所もなく、立ち止まることも許されない街で何かを生み出す(見つけ出す)のは容易ではない。見えるものすべてが、なにか硬質なもので覆われている。そこには、タイルやガラスに限らず、われわれの意識も含まれる。
 三鷹駅前にある、鏡面ガラス張りのビル。私はこれまで、その足下に墜落した小鳥の死骸を2つ見つけた。建築家はその死を知っているだろうか。BS放送の旅行番組などで、外国の街の住人が、「自分たちの街が好きだ。世界で一番だ」と話すのを見るとき、うらやましいと思う。
タグ:三鷹
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Sanchai

こんにちは。私も三鷹市民ですが、只今インドで駐在をやっています。これからも三鷹の情報をご掲載下さい。楽しみにしています。
by Sanchai (2009-03-29 21:13) 

yotaka

ありがとうございます。日々の中で気づいたことなど、徒然に綴っていきたいと思います。
by yotaka (2009-03-29 22:57) 

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