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どうする、朝日新聞 [世界]

 受験生が試験問題の解答を携帯電話とインターネットの掲示板を使って外部から得た行為が発覚し、それを朝日新聞が1面トップで報道している。1面どころか、掲載は2面や社会面にも及ぶ。ことは要するにカンニングである。それを偽計業務妨害だとかで大学が訴え、ついには仙台の予備校生が逮捕されるに至った。朝日はこの逮捕を夕刊でも1面トップで取り上げている。ずいぶんと行きすぎた報道だ。これほど大きく取り扱うべき事件なのかと疑問に思う。
 予備校生の行為がこれまでのカンニングと異なるのは、インターネットを使った点だ。朝日はどうもそれが気になるらしい。たかが一人の予備校生のカンニングを連日トップで報道するその神経は理解できない。もっと広く伝えなくてはならないことがあるだろう。先日の上関原発建設における中国電力側600人の実力行使や、各地の原発における機器の検査漏れ(東京電力発表によると、柏崎刈羽原発で375機器、福島第1原発で33機器、福島第2原発で21機器)など、重要なニュースはほかにいくらでもある。原発問題に関しては、たとえ大手新聞社といえども電力会社は大事な広告主であるから、ヘタな批判はできないのだろうと察する。それとは別に、沖縄の基地移設やロシアとの外交問題などにいたっては扱いが単発すぎる。あるいは、先日起きた日本郵便のEVカー購入契約解除によるベンチャー企業の倒産に関しても、真相を知りたい。このままでは日本のベンチャー企業は消えてなくなる。
 私は中学生のころから朝日新聞を読んできたが、近年その報道姿勢に疑問を抱くようになった。例えば、朝刊の「天声人語」や夕刊の「素粒子」では、政治家や世間で注目された人物、事件などを風刺することが多いのだが、まずはここに違和感を感じている。私は、いまの世の中で風刺の対象になり得るような人物はもはやいないと思うのだ。それほど人物に余裕はなく、社会は切羽詰まっている。朝日の記者はすでに洒落にならないことがわかっていない。さらに、社説は当たり前のことしか語らず、世の中の諸問題に正論らしきものを投げる。だが見せかけの正論なので、読み手の心にはなにも残らずといった感が強い。
 市民にとって本当に重要なニュースを押し出さずに、一介の予備校生の近隣住民や祖父から引き出した無意味なコメントを載せる行為は、メディアの仕事として疑問だ。もちろんすべての記事が悪いわけではなく、いい記事もある。しかし、肝心なところでなにかをごまかしているように見えるのだ。人々の眼をよそへそらす役割を果たしてしまっていることは、中国の言論統制とたいして変わらない状況を生んでいるのではないかと危惧する。これは朝日に限ったことではなく、ほかの新聞やテレビも同様だ。
 私は最近、Twitterやブログ、Webのニュースサイトで情報を集めることが多くなった。新聞では知り得ない事実を知ることも増えた。このままいくと新聞は、文化面とテレビ欄、スポーツ記事で事足りる存在になるかもしれない。今回のような弱い者いじめの姿勢をあらため、強いものに釘さす媒体であってほしい。
タグ:朝日新聞
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