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津波 [世界]

 南米チリ沿岸で昨日発生した地震による津波が1時ごろ日本に到達した。いまのところ、数十cm〜1m20cmの高さの波が来ているという。夜になっても警報は解除されておらず、太平洋沿岸の人々は不安な時間を過ごしていることだろう。予報では第1波よりもその後の波のほうが高くなる可能性があるとのこと。実際にはどのくらいの規模になるのかは来てみなければわからない。人間の予想を超える。それが自然の怖さだ。
 不謹慎な話だが、私はいちど津波というものを実際に見てみたいと思っていた。その理由は夢にある。私は子供のころからいまに至るまでよく津波の夢を見る。あらゆるタイプの巨大な津波が押し寄せてきて、逃げおおせることもあるが、呑み込まれてしまうこともある。強く記憶に残っているのは、12歳ごろに見た東西南北から押し寄せる高さ数十mの巨大津波の夢だ。友達二人とタワーのてっぺんに避難したのだが、虹色にきらきらと輝くものすごい高さの津波が四方から迫ってくる——。ハリウッド映画に出てくるような巨大津波のイメージは、ずいぶん昔から見ていた。
 なぜそんな夢を見続けるのか心理学に照らしたことはないが、たぶん幼いころに見ていた太平洋の荒波の印象が関係しているように思う。祖父に連れられて歩く堤防の横をなめるように打ち寄せ続く巨大な波。吸い込まれそうな深い紺色と強大な力による波頭。そこに恐怖と美しさの両方を感じていたのだろう。そのイメージが脳裏に残り、夢に現れるのかもしれない。
 いま思うと馬鹿げた行為だが、中学生のときに発生した宮城県沖地震の際には、津波を見るために自転車で港に向かった。一人岸壁に立ち、津波の到来を待っていたのだ。東北の国際港。沖と海面を交互に観察していたが、じゃっかん潮位が上がったような気がした以外、大した変化は見られなかった。もっとも、大した波が来たら死んでいただろう。
 以前、南洋で甚大な被害を及ぼした津波のビデオ映像をテレビで見た。沖にある帯状のそれは、さほど凶暴なものには見えなかった。しかし陸に上がった津波は強大な水の力を示し、さまざまなものを呑み込んで押し寄せ、巨大な泥水と化した。水というものは美しく、ときに恐ろしい。
タグ:津波
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