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サーバー [仕事]

 高校生の就職内定率がさらに下がったというニュースが届く。働く場が失われている現在、職探しは相当難しい。自分でも、いま失業したら、この年齢で再び会社に入るのは無理だろうと考える。私の会社も、自分で仕事を作り利益を出せなければ、それは退職に通じる。現に、仕事が軌道に乗らず、3カ月に一人くらいの割合で同僚が去っていく。
 先日の新聞には、インターネットへの広告出稿費が新聞のそれを抜いたという記事が掲載された。インターネットで商品を知るだけでなく、そこで買い物をする人はこれからも増えていくだろう。その半面、リアル店舗に足を運ぶ人は減っていく。すなわち、店で働く人の数も減る。
 音楽CD、本、雑貨、電化製品、食料品、さらには先日紹介したとおり椅子の修理まで。たいがいのものはインターネットで注文できてしまう。では、そのインターネットショップでそれなりの人々が働いているのかといえば、そうとも言えないだろう。われわれの注文を受け付けているのは人ではなく、「サーバー」である。いうなれば、少々性能が高いパソコンのようなものだ。それ(具体的にはプログラム)が24時間稼働して、日本中からの注文に日々対応している。サーバーが1台あれば、人間数人ぶんの働きをしてしまう。もちろん、実際の配送や仕入れは人間がやるにしても。われわれが対面する注文画面は、そのままサーバーに直結している。大手のWeb店舗は数十台から数百台規模のサーバーを用意、あるいは借りている。単純に考えて、これでは人の入る余地はない。
 その昔、仕事で日産村山工場によく行っていた。あるとき、自動車の生産ラインの一部を見せてもらったことがあったが、そこはほとんど無人の世界だった。巨大な工場内の火花散るコンベヤ上で動いているのはロボットアーム。それらが粛々とクルマを作っていた。人の手を要する製造工程もあるのだろうが、少々不気味な感じがしたものだ。
 世の中全体が人手をかけない方向に動いているのだから、就職難になるのも当然だ。つまるところ、人が働く場としての新しい仕事をつくりださなければならない。ただしそれは、皆営業になって外へ出るとか、インターネットショップを開くとか、そんなことではないだろう。サーバーを駆使して膨大な利益を上げている会社を考えるとき、そこにはやはり、ある種の偏りを感じる。1社独占の状況がかいま見える。巷でよくいわれる、1ジャンルで生き残れるのはせいぜい2、3社という事実。この単純な状況を変えて多様性を生み出さなければ、働き口の問題は簡単には解決しないと思うのだ。
タグ:サーバー
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