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AGFA sensor 505-D [カメラ]

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 赤いボタンをもういちど押したくて、アグファのデジタルカメラ「sensor 505-D」を購入した。古い話だが小学生の頃、母親に相当だだをこねて独アグファ・ゲハルト社の110ポケットカメラ「AGFAMATIC 3000」を買ってもらった。そのカメラのシャッターボタンが平たく赤い丸だったのだが、505-Dもそれを受け継いでいるのだ。
 AGFAMATIC 3000は非常によくできたカメラで、ボディーの伸縮でフィルムを巻き上げる機構や露出設定スイッチ、キューブ型のフラッシュなど、いま思えば小学生には少々贅沢な仕様を備えていた。シルバーとブラックの硬質なデザインと赤いボタンも好印象。なによりも、シャッターボタンのストロークが絶妙で、その精巧な感覚はいまでも指が覚えている。
 505-Dのボタンには残念ながらそのような精巧さはなかった。中国製のせいか、ボディーの仕上げには安易なところがある。デザインがいいとPRするWebショップは多いが、実際に手にするとプラスチックの軽い質感のため、それほどでもない。価格はAmazonで7,980円。店頭では当初は2万1000円ほどで売られていた。価格の安さもあって買ってみたものの、届いた製品を見てこれできちんと写るのかと心配になる。
 しかし、そのよさは使ってみてわかった。ボディーのデザインや仕上がり云々はさておき、まずは絵作りに味がある。過大な期待は禁物だが、発色と光と陰のとらえ方が独特だ。特に陰がいい味を出している。この絵作りを面白いと感じられれば、楽しんで撮れるだろう。露出補正やマニュアルホワイトバランス、白黒モード、再生画像の拡大など、基本的な機能を備えている。白飛びしやすく、暗い場所も苦手だが、写りにはそれでもかまわないと思わせるクセがあった。また本体は軽いため(電池込みで約120g)、上着のポケットに入れても重さを感じない。起動は3.5秒ほどで遅いが、ポケットからすぐ出して撮れる。色味はポラロイド的。画素数は500万画素だが、普通はこれで十分だと思う。ドイツの設計ながら、近年のスペック一辺倒なデジカメ市場とは無縁のカメラだ。

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