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睡眠時無呼吸症候群 [健康]

 日中の眠気が強いため睡眠時無呼吸症の検査を行ったところ(写真1)、就寝時に最長で3分間、一時間に32回の無呼吸状態があることが分かり、「CPAP」(シーパップ)という医療機器を装着して寝ることになった(写真2、TEIJINの「スリープメイト10」)。3年ほど前にも心療内科の医師に相談し、検査機器を付けて確認してみたことがある。その際は最長で1分程度の無呼吸状態があった。そのときは、この程度ならまだ治療の必要はないとの診断だったが、それが悪化したかたちだ。

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写真1 睡眠時無呼吸の検査キット。左のホースが鼻の穴に取り付けるH型のプラスチックにつながっており、呼吸を感知する

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写真2 「CPAP」。右上の装置からパイプを通じて酸素を送出する。左下にあるのが、鼻に装着するマスク

 この症状は字のごとしで、睡眠時になんらかの原因で気道がふさがって呼吸が止まる。たいていはいびきとセットだ。いびきがうるさい人を見ていると、突然静かになり、息をしていない状態になるのを見たことがあるだろう。そのうちに、「カッカッ」と喉が詰まるような音をたて、再び呼吸が始まる。舌と軟口蓋などが弛緩して気道が塞がれてしまう。

 だいぶ以前から家人にいびきがうるさいと言われていたが、このような状態になるとは思いもよらなかった。内科医は最長3分間は重症だという。通常は、対処法としてマウスピース(スプリント)を作成するのだが、重度なのであらためて睡眠外来科の受診か、CPAPの装着のいずれかを勧められた。

 CPAPというのは、就寝時に鼻に酸素マスク様のものを装着し(写真2の左下)、圧力をかけた空気を送り、気道が塞がらないようにする装置だ。通常呼吸しているときは標準量の酸素を供給するが、気道が狭くなったり、無呼吸状態を感知すると強制的に多くの酸素を送出して気道を開く。呼吸の状態をきちんと検知できるように、マスクは密着して取り付けなければならない。そのため、頭部と頬の双方にバンドがある。また、使用中は口を閉じていなければならない。

 就寝時とはいえ日常的にこんなものを付けるのは尋常ではない。しかも、治療ではなく対処方法であり、無呼吸症が続く限りは使い続けなければならない。なんらかの治療を行わなければやめられる見通しのない装置なのだ。CPAPはレンタルのような扱いとなり、費用は月4500円ほどかかる。マスクやエアチューブは常に清潔にし、ときどき清掃する必要がある。旅行先にも持っていかなければならず、それを考えると気が滅入った。家人はダースベーダーのようだといい、使用時は自宅にいながらICUの患者のような気分になる。

 私は6月1日から使用し始めたが、なかなか慣れることができず、高圧な送出が始まると苦しくて止めてしまう。圧が高まるまでの時間などは利用者が調整できるが、最低と最高の圧力は医師の診断がないと変更できない仕組みになっている。つらいのでいちど最高圧力を下げたもらったが(圧力レベル:通常4ー最大15から同4ー同8へ)、それでも2時間ほどしか装着していられなかった。

 そうこうしているうちに1カ月がすぎたころ、左の顎から耳の横にかけて痛みだした。徐々に痛みが増すようになったので、治療科目に顎関節症や口腔外科がある歯科医に駆け込んだ。診断は顎関節症だという。ちょうど個展が始まるときであり、痛みをこらえながら画廊に通う。歯科医から3つのアドバイスを受けた。一つは朝起きたらまず顎に温めたタオルを当てる。これは朝食の前に行い、関節や靭帯の血行をよくする。次に、食事をするときに下顎を少し前にずらしてから噛むようにする。これは意外に難しい。そして、なるべく左側の歯で噛む。CPAPの使用をストップした。

 歯科医による対処方法で2、3日過ごしてみたところ、徐々に顎の痛みは和らいできた。ところが、今度は左下の奥歯が疼き出した。急いで医者に駆け込むと、レントゲン結果を見て、奥歯の神経と歯根の下に影があり、細菌にやられているとの診断。それは一番奥に眠っている親知らずの下にまで達し、見るからに悪くなっているのが分かった。睡眠時無呼吸症から顎関節症、奥歯の根管治療ーーと不具合の連鎖だ。踏んだり蹴ったりとはこのことだろう。顎関節症がCPAPによるものなのかは定かではないが、1カ月間、顎をベルトで締め続けていた影響はあるように思う。

 無呼吸症と顎関節症の双方に対応できるマウスピースが作成できると医師はいう。CPAPとは別に、それはそれで試してみようと思う。問題は顎関節症での奥歯治療だ。口を開けることはできるのだが先日は、治療中に4回、顎が外れた。医師は口腔外科も行っているためすぐにはめてくれたが、顎が外れる経験は初めてだ。日常的な場面で外れないように、あくびなどをするときに気をつけた。

 私は50歳を過ぎた頃から、身体に異変が増え始めた。ひとえに長年のさまざまなストレスや負荷の蓄積が原因であると同時に、骨や神経などの身体組織の耐久性の低下の影響もあるように思う。この状態はしばらく続くだろう。老化というのは身体の崩壊だ。若い頃は、生命力というか、抵抗力で難なく乗り切れたが、その助けが効かなくなる。横尾忠則さんのように、老化の進行を楽しむ余裕は私にはまったくないが、ある程度あきらめの心境で臨まないと気持ちがまいってしまう。いまのところ、仕事をするモチベーションが湧いてこない。さて、どうなるか。
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