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3年目の黙祷 [東日本大震災]

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 職場で仕事をしていると、同僚のM君がやってきて「神社に行きましょう」という。なんのことか分からずに、「彼女でもつくりたいの?」と聞き返した。会社から歩いて3分ほどのところに、縁結びで女性に人気の東京大神宮がある。時計を見ると時刻は2時半。それで気がついた。二人で大神宮に向かう。
 境内にはやはり若い女性の姿が多い。本殿に参拝したあと、時刻がくるのを待った。私は一昨年昨年とも3月11日は、社内で腰掛けたまま一人目をつぶって黙祷した。今年もそのつもりでいた。東日本大震災と原発事故の被害者を追悼するのは、大勢いるフロアの中で私とM君だけかもしれない。
 本殿横の案内所のスピーカーから、追悼式を中継するラジオかなにかのアナウンサーの声が聞こえる。そのうちに神官が姿を現し、本日が震災の日であることを伝え、参拝者に黙祷を案内した。2時46分、境内にいる人たちとともに黙祷した。
 静かなる1分間。津波に呑まれた人々を追悼する。あの日、想像の及ばぬ災害が東北と関東沿岸を襲った。その光景を思いおこす。目を閉じた。1万8000人を超える人々の死もまた想像できない。ただ祈るだけだ。そのうちに、原発事故によって汚れてしまった福島の土地、失って二度と取り返せないさまざまのことが頭の中に染みだしてきた。悔しさがわいてきて目がにじんだ。
 怒りや腹立たしさではなく、悔しさだった。防げたはずの事故。その後の人々の生活。食べられなくなった福島の野菜や果物、魚。行政。不信。あれから何も変わっていない。それどころか、より悪くなっている。いろいろな思いがこみ上げてきた。本当は泣いてしまいたい。でも泣くわけにはいかない。そんな気持ちで社へ戻る。

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