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E-PL2 [カメラ]

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 オリンパスのデジタルカメラ「E-PL2」を購入し、すでに2カ月ほど使っている。ここ2年ほどはキヤノンのコンパクトデジカメ「PowerShot S95」を常時携帯して使ってきたが、画質はそこそこいいとしても、当初からどうも物足りなさを感じていた。物足りないのは、ボディの小ささとフィット感、撮った写真のスケールなどに起因している。
 常にカバンに入れておけるカメラとしてS95を選んだので、サイズが小さいのは当然だ。いまさら小さいのが気に入らないというのも勝手な話だが、薄くて小さな本体ではなぜだか撮った気がしなかった。要するに手応えがない。記録用には十分として、実感がともなわないとでもいえばいいのか。シャッターボタンを押す感覚すら希薄だ。もっとも、この感じは昔デジタルカメラを手にした当初から多かれ少なかれあった。デジタルが当たり前となった時代にこんなことを言うと大いに笑われるだろう。写真は記録であり、写っているものがすべて、と言われればそれまでだ。確かに記録ではあるが、私はそれ以外のものを求めたい。
 要するに、実感のあるカメラで、瞬間を切り取った写真が撮りたいのだ。画素数や性能さえよければなんでもいいということはない。1枚の写真を見せられて、それが銀塩カメラで撮ったものか、デジタルカメラで撮ったものかが分かる人はいないだろうし、見る側からすればどちらでもいい。しかし、撮影者としてはやはり「実感」なのだ。では実感とは何だ? と問われれば、カメラの外観、手に持ったときの感じ、シャッターの感触、瞬間をつかまえられるカメラかどうか。これは撮影時の実感。そして写真の出来。これは見るときの実感。手垢のついた言葉だが、そういうことだ。
 被写体に向かう前準備も含めての写真なのであり、結果がすべてとは思っていない。写真にはいろいろなプロセスが写り込む。以上のさまざまな点で、E-PL2が格別かといえば、そうではない。しかし、私としてはかなりいい線までいっているカメラだと思う。まず、瞬間をつかまえるときのとりまわしがいい。ちょうど、昔のレンジファインダー型カメラに近く、元祖となるオリンパスPen Fの遺伝子を継いでいる。そしてシャッター音。フォーカルプレーンの好ましい音がする。写真のスケール感はS95よりもある(撮像素子のサイズはE-PL2がH17.3mm×V13.0mm、S95がH7.6mm×V5.7mm)。
 私はE-PL2で白黒写真を撮っている。14-42mmのズームレンズの描写が白黒に合うことに気がついたからだ。私のなかでは、スナップといえば白黒。E-PL2はPen F譲りのスナップにちょうどいいカメラなのだ。白黒写真は色あせない。当たり前の話だが、最近その事実に気がついた。色がないからこそ、瞬間が際立って見えるということだ。
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