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ストロンチウム汚染水12トンの流出 [原発]

 今日の早朝福島原発で、汚染水をためているタンクにつながる配管から高濃度の放射性ストロンチウムを含む汚染水12トンが海へ流出していたことが明らかになり、午後のNHKニュースがそれを報じていた。ストロンチウムはベータ線を発する危険性の高い核種だ。体内に取り込まれると多くが骨に蓄積される。これを含んだ汚染水が12トンも福島の海に流れ出た。これまでも大量の放射性物質が海に放出され、溶融した核燃料から今もって地下に大量に漏れ出している。それに輪をかけての今回の事態だ。
 NHKはこのニュースの中で、「東京電力の管理態勢が厳しく問われています」などと間の抜けたコメントを述べている。管理云々を問うのではなく、これはれっきとした東電の犯罪であることを指摘すべきだ。しかも加害者意識が皆無のきわめて重い犯罪。いまなお日本の海を広域に汚染している点で、管理態勢レベルの話ではない。なおかつ汚染は世界の海、公海で起きているのであり、国際的に見ても大きな問題なのだ。
 多くの日本人はいま、この事実を「また東電がへまをやらかしたか」程度にとらえてはいないだろうか。たぶん、それほどひどい事態であるという認識はもっておらず、大きく油断しているに違いない。福島県民や福島県出身以外の日本人にとって福島原発事故は残念ながら他人事である。人々はすでに日常に戻った気分でいる。
 福島第一原発で起きたこと、そしていま日本中で起きていること。それをもういちど考えてほしい。太平洋戦争に匹敵する巨大な犯罪が発生したのだ。いや、これもまた戦争であり、本来子孫が持つべき時間さえ食いつぶす点ではそれ以上と言えるだろう。この戦争は現在進行形だ。東京電力という軍隊は市民に向けていまも大砲を撃っている。
 確かにいまのところ放射能で直接的に亡くなった人はいないかもしれない。しかし、広大な自然と多くの市民の生活と未来、産業を根底から破壊したことはまぎれもない事実。にもかかわらず、いまだだれも罰せられず、だれも責任を取っていない。この状況は異常事態を通り越して、狂っているとしか思えない。市民が「ストロンチウムを含む汚染水12トン流出」を、ただのニュースとして平静に聞いているのであれば、この国はすでに終わっている。

NHKのニュース:
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120405/k10014233041000.html
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