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核攻撃を受けた国 [世界]

 私の中で、日本に原子爆弾が投下されたという事実が年を経るごとに重くなっていく。戦争中の行為とはいえ、綿密な計画に基づき市街地に原子爆弾を投下し、多数の市民を虐殺した国を心の底で憎む。あれほど強大な殺戮兵器を使用する権利など、いかなる人間も持ってはいない。そのうえ、広島と長崎だけでなく、新潟や小倉などほかの地域にも続けて投下する計画さえあった。

 人類史上初めて核攻撃を受けた国、日本。この事実をわれわれはあらためて深く考えるべきだろう。米国人の、戦争を早く終わらせるためという口実はあまりにも子供だましだ。すでにひん死の島国に複数の原子爆弾を落とすことを画策していた。日本への核攻撃が、その後に続く膨大な「核実験」の導入だったとすれば、もはや国の根幹が狂っているとしかいいようがない。それは、大量破壊兵器の存在を理由にイラクを誘導ミサイルで攻撃した思考と同じだ。

 米国は謝罪をしない国という印象が強い。今日の広島平和祈念式に米国の駐日大使が初参列したが、駐日大使ならば当然のことだろう。オバマ大統領の口から直接、核攻撃を実行した国としての謝罪の言葉を引き出したい。潘基文国連事務総長は信念をもって「核兵器の全廃しかない」と語ったという。菅直人首相は、それでも「核の傘」の必要性を説いたらしい。この男はやはり真性の愚者だった。8月6日の式典後にそれを言う浅はかさ。核の傘の下にいる限り、日本が独立国になれないのは自明だ。市民が、政治家が、なにをやってもこの国は大樹にすがる根無し草でしかない。

 私は今日、例年のように「死んだ女の子」を聴く。感傷にすぎるだろうか。しかし、私には言葉や祈りよりもイメージが必要だ。あの日の惨劇を映し出す鏡が。原子爆弾によって紙きれのように消えた女の子の叫びを歌う元ちとせの声と坂本龍一の音楽が怒りを甦らせ、そして鎮めてくれる。この曲は、最近発売になった彼女のアルバム「Orient」に収録された。もっと多くの人にこの歌を聴いてもらいたいと思う。
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