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二俣川 [街]

 横浜駅から相鉄本線に乗って、二俣川へ行く。とあるイラストレーターのアトリエ訪問。その人の年齢は88歳だが、いまだに若いころと変わらぬ画風と絵の出来を保つ。すでに50年、貼り絵技法による仕事を続けているという。自負に満ちた口調。北海道や日本各地で開催される個展にも出向くとのこと。そのパワーと色彩感覚、斬新さに、いまどきのイラストレーターやデザイナーはとても太刀打ちできないだろう。アトリエにあるたくさんの作品は、ジャンルごとにきちんと棚に整理されていた。
 二俣川駅の南側は起伏に富んだ土地だ。山や竹林もある。さちが丘の長昌寺付近や駅周辺は鉄道と道などが入り組んでいる。道路横の水路の上が歩道になっている個所もあり、人々はザラザラしたコンクリートのフタの上を行き来する。久しぶりに質感のある場所を歩き、一種の心地よさを感じた。ひるがえって、東京を考える。ここも確かに坂が多い土地だが、すでにそこが山だったのか、あるいは丘だったのか、川が流れる谷だったのかの痕跡は皆無で、元の風景は想像できない。すべてがなにかで覆われている。横浜あたりには、地形の痕跡ばかりか、自然そのものがまだ残っている。しっかりと、山や丘陵とわかる場所が多い。街の一部を切り取っても、そこになにがあるかを口に出して言えるのだ。つまり、地形に沿って街がある。どうせ住むのなら、そういう特徴のあるところに住みたい。家の近所にある目印が、コンビニやマンションだけではあまりに味気ない。
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